土木学会論文集A2(応用力学)
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和文論文
DEMによる試料作製方法が粒状体のせん断挙動に及ぼす影響の定量的評価
片桐 淳松島 亘志山田 恭央
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2012 年 68 巻 1 号 p. 67-77

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抄録

 DEMにより3種類の方法で試料を作製し,それらの単純せん断シミュレーションを行った.試料作製方法は,粒子間摩擦を小さくして圧縮する方法(FC),圧縮時間を変える方法(TC)および繰返し単純せん断(CC)による圧縮の3種類であり,それぞれの方法で作製した複数の試料についてのシミュレーションを行った.その結果,FC法で作製した試料は,CC法の試料に比べて,同程度の間隙比の試料であっても初期試料内に作用する粒子間せん断力が小さく,初期配位数が大きいことがわかった.また,その後の単純せん断での応力‐ひずみ関係においては前者の試料の方が後者よりも広い弾性領域が得られた.しかし,一旦接触点が滑り出すとその影響は失われ,ピークせん断強度に達する程度まで変形が進むと大きな差異が見られなくなることが明らかとなった.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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