抄録
平成22年7月16日に広島県庄原市における集中豪雨は,土石流とともに大量の流木を発生させた.このため,同市重行地区では,大量の流木が橋梁に絡まって河道を閉塞し,河川の氾濫被害が生じた.本研究は,この流木の形状特性に関する現地調査を行ったうえで,生起した橋梁閉塞事例に関するシミュレーション解析を行ったものである.すなわち,現地調査により流下した流木の長さ,直径,樹根径を調査し,閉塞シミュレーションのための基礎特性を把握した.そのうえで,樹根部の形状を表現可能な円柱形要素の集合体要素を用いた三次元個別要素法によって,実橋梁の閉塞シミュレーションを行い,その信頼性と閉塞メカニズムに関する知見を示した.