抄録
本研究は,粒径の異なる粒状体に生ずる偏析現象を基礎的に解明するため,回転円筒実験装置を考案し,2粒径混合球形粒子群の運動特性や偏析現象の生起区分について考察したものである.すなわち,粒径の異なる3種類のガラス球,比重の異なるナイロン球および表面に凹凸が有る粒径の異なる3種類の固化石炭灰を用いた混合材料とし,回転円筒内での偏析現象について調べた.そのうえで,粒径の組み合せや回転円筒の速度の違いによる偏析現象の生起区分を行った.また,その偏析現象における大粒径粒子が先頭部に集中する機構について考察した.さらに個別要素法で偏析現象を再現し,2粒径混合実験の偏析現象の再現能力と,そのメカニズムについて分析した.