2014 年 70 巻 2 号 p. I_185-I_194
本研究では,周囲流体との力学的連成を考慮した衝突を伴う多数の物体運動計算MICSに対して,分散メモリシステムにおける動的負荷分散手法を提案した.本手法では物体計算領域を流体計算領域とは独立に,3次元スライスグリッドを用いて動的領域分割する.このことにより,各計算プロセスが所有する物体数の偏りを解消し,物体運動計算時間を短縮することが可能である.提案した計算手法を,水柱崩壊を受ける1,000,000個の物体群の解析に適用し,その有効性を確認した.物体計算と連成計算の総和のスピードアップは,256並列では逐次実行と比べて129.90となり,既往の解法より良好な結果が得られた.