2014 年 70 巻 2 号 p. I_575-I_586
本研究は,軸圧縮力を受ける両端単純支持部材の強度と変形能を数値解析により明らかにし,終局耐震設計法に準用されている終局ひずみと比較・検討することを目的としている.両端単純支持部材の数値解析モデルとして,局部座屈を考慮しないファイバー要素によるモデル,および,局部座屈を考慮するシェル要素によるモデルを構築し,弾塑性有限変位解析を実施した.結果として,座屈強度については,残留応力および初期たわみを考慮することで,現行の道路橋示方書式の有用性を示した.また,変形能は,現行提案式では,中程度の部材長以上において,終局ひずみを過大に評価することがわかり,現状の設計法には問題点があることを示した.最後に,実務設計で有用となる損傷を照査する領域におけるファイバー要素の分割数に対する検討を行った.