抄録
大規模な数値計算を利用して地震災害による構造物の被害を予測するためには,都市の構造物一棟一棟のモデルが必要である.モデル構築に利用できるデータは限られているため,個々のデータがもつ一つの構造物に対する情報を自動的に関連付ける手法が求められている.本論文では,市販の構造物3D形状データと,家屋課税台帳から作成した属性情報データを位置情報に基づいて自動的に関連付ける手法を提案する.実際の都市のデータに提案手法を適用し,手作業による関連付けの結果と比較を行った.その結果として,地番レベルの粗い位置情報をもつ属性情報データに対しても,構造物の3D形状データが80%を越える高い信頼度で自動的に関連付けられることが示された.