河岸強度特性の相違を考慮した河川地形変遷に関する数値解析的研究

抄録

河川地形を決定する要因については多くの研究がなされ，様々な観測，実験や解析が行われてきた．その中で，植生が重要な研究対象となってきている．植生は，根などの効果により土砂輸送を抑制し，側岸や砂州などが固定や，水路幅の狭小化を引き起こすとされることから，植生は流況と土砂供給の状態に次ぐ水路形態を支配する重要な要因であると言われる．Millarの研究では，河岸強度が植生に依存し，樹林化した河川ほど蛇行になりやすいことを示した．本研究では，植生による河岸強化の指標として安息角に着目し，既往の研究で示された水路形態の特性が変わる変移点付近の水理条件を用いて数値実験を実施した所，安息角を変化させることで水路形態に大きな影響があることが示唆された．