土木学会論文集A2(応用力学)
Online ISSN : 2185-4661
ISSN-L : 2185-4661
応用力学論文集Vol.17(特集)
動的平衡過程としての転波列の発達過程と平衡状態の特性
白井 秀和細田 尚金澤 直矢
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2014 年 70 巻 2 号 p. I_819-I_830

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抄録
転波列は,微小擾乱が時間・空間的に発達することで形成される急勾配開水路流れである.本論文は,この転波列の発達過程と平衡状態での波形の特性について数値解析的,理論的に考察を行ったものである.
まず,浅水流方程式を有限体積法に基づく離散化により数値解析を行い,平衡状態における転波列の波形が一意的に定まらず,動的な平衡状態に至ることを示すとともに,ある一定周期の擾乱を与えた場合,ある範囲の周期では,擾乱周期に対応した波形が形成されることを示した.また,擾乱の時間発展式を導出し,その式を時間発展的に解くことで非線形安定解析を行い,基本波数を1次モードのみとした場合,転波列として安定な波形が維持される波数が存在せず,2次モード以上を考慮した場合では,転波列の波形が安定して維持する波数の領域が表れることが示された.さらに,このとき,一定周期の擾乱を与えた場合の数値解析で得られた結果の傾向によく一致することが確認された.
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© 2014 公益社団法人 土木学会
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