抄録
直交積層のCFRP箱形断面梁について4点曲げ載荷を行い,画像解析により曲げ支間周辺の変位場計測を行った.画像解析では,変位計測点の高密度化を行うとともに,計測領域を拡張することで破壊起点により近接させた.変位より,ひずみ,主ひずみ,主応力,破壊指標値の算出を行い,変形・損傷過程の面的な観察をより詳細に行った.直交積層の梁は,曲げ支間とせん断支間で特徴的なひずみおよび応力分布を呈することを明らかにした.CFRP梁は脆性的に上フランジとウェブに亀裂を生じて破壊したが,破壊直前の画像解析より載荷板周辺の局所的な分布を捉えることができ,破壊指標値により実験で観察された破壊起点を説明することが概ね可能であった.