抄録
目視で確認できないバラスト軌道中のPCまくらぎの損傷を検知するため,本研究ではPCまくらぎのモード特性を用いた損傷検知システムについて検討した.曲げ試験と並行して振動測定を実施し,ひび割れ発生荷重の1.2倍以上の荷重が作用した場合に,固有振動数が低下しはじめることを確認した.また,実損傷を有するPCまくらぎの振動測定結果,試験線での振動測定結果から,損傷の影響が大きく表れる3次モードの固有振動数が,バラストやレールの影響を受けづらくレール部下面の開口ひび割れの検知に適したモードであることを確認した.さらに,実用化に向けて,単点計測・簡易処理での損傷検知を検討し,多点計測と同様の検知精度が確保できることを示した.