2016 年 72 巻 2 号 p. I_155-I_165
物理量を評価する物理空間および運動を評価する計算空間を分離して数値解析を実行する計算法としてMPMがある.MPMでは,物理空間における物理量は補間関数を用いて計算空間へマッピングし,計算格子を用いて運動を解く.計算空間から求まる運動をリマッピングすることで,物理空間における各種物理量を算出する.MPMは物質点を質点とする手法であるが,後に,その支配領域を考慮するGIMP法が提案され,近年提案されたCPDI法では,物質点に任意の支配領域を持たせる手法へと発展してきている.CPDI法は,領域積分に直接積分を用いた手法として提案され,2次元の定式化が示されている.しかしながら,直接積分に基づく手法は,3次元の定式化へ拡張する場合,補間関数の導出が複雑であり,かつ,数値計算の実装が困難であった.本論文では,CPDI法に数値積分を導入した手法として新たにAPDI法を提案する.APDI法は,任意の支配領域であっても統一した手順で領域積分することを可能とし,3次元空間でも実装可能な補間関数の算出手順を有している.本論文では,地盤材料を用いた解析例を通して,提案する手法の適用性,定量評価手法としての有効性を合わせて確認する.