土木学会論文集A2(応用力学)
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72 巻 , 2 号
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応用力学論文集Vol.19(特集)
  • 吉原 一詞, 中垣 俊之
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_3-I_11
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    生物システムのつくる構造物は優れた機能性を有しているとしばしば指摘される.そのような機能的な構造がどのようなアルゴリズムによって設計されているかは,興味深い問題である.本研究では,真正粘菌モジホコリという真核単細胞生物がつくる輸送ネットワークの設計方法にヒントを得た構造物の設計方法を検討した.最たる特徴は,「よく使われる部分は強化され,そうでない部分は弱化される」という,いわゆる「用不用則」である.この運動規則がシステムの局部で自律的かつ分散的に作用することによって,全体としてある種の最適性が実現された.まずはじめに,流量強化則の事例として交通網と町の共発展現象を検討し,次に構造物に題材を変えてヒト大腿骨におけるリモデリング現象を検討した.そののち,単純な例題として片持梁のデザインに用不用則を適用した.「どれほど使われるとどれほど強化されるか」を定める関数形(さじ加減)によって,多様なトポロジーをもつ形状が生み出された.また,初期状態をあえて一様でなくして,偏りをつけておくことによっても,多様さが生じた.これら二つの要因で形状を調整できることは設計の立場からすると都合がよいと思われる.この最適化法の可能性について議論した.
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  • 栗田 哲史
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_13-I_23
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    2011年東北地方太平洋沖地震の際,GPS観測点による地殻変動量やGPS波浪計による津波時刻歴などの観測値が得られた.本検討では,これらを用いて震源断層におけるすべり量を求める震源インバージョンを実施した.ここで,震源のすべりモデルとしてマルチタイムウィンドウを採用した.破壊伝播速度とタイムウィンドウ数を変えてインバージョンした結果,破壊伝播速度が遅くタイムウィンドウ数が多いほど観測記録との適合性が向上し,モデルとして適切であるとの結果が得られた.しかし,この条件下の解では断層破壊運動の継続時間が増大し,地殻変動の時間変化に関する観測結果との整合性に齟齬を生じる.本検討の結果では,破壊伝播速度が2.5~3.0km/sでタイムウィンドウ数5の場合が,現実的な条件における適切な解との結論を得た.
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  • 佐藤 太裕, 谷垣 俊行, 佐藤 諭佳, 島 弘幸, 井上 昭夫
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_25-I_34
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    自然界に生息するタケは中空円筒であり,かつ節と組織構造を有する植物である.これは適者生存の厳しい環境下でできるだけ強く,高く生育するためにタケ自身が進化の過程で獲得してきた形態であり,力学的に極めて高い合理性を有すると考えられる.本研究は,タケの生態を構造力学的に紐解き,節配置の高さ方向分布と維管束の横断面内分布の不均一性が織り成す力学的優位性を実証するものである.この研究により,曲げを受けるタケの節配置による断面偏平抑制効果を剛性に関する異方性を考慮した無次元パラメータにより記述し,タケが外力により生じる曲げモーメント分布に合わせて断面偏平を効率的に抑制していること,また横断面内維管束分布は曲げ剛性を高めるように効果的に配置されていることが初めて理論的に示された.
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  • 西村 伸一, 柴田 俊文, 珠玖 隆行
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_35-I_43
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本研究は,実測値から圧密に関するパラメータを同定し,将来の沈下予測を行うものである.ここでは,二次圧密を含めた粘性土の長期沈下挙動を予測できるモデルのパラメータ同定法の開発を目指している.解析法の検証のための長期圧密挙動を得るため,分割型圧密試験を実施しており,4連の圧密容器を用いて4層の粘土の変位および間隙水圧を計測している.二次圧密の予測にはlog t法を,一次圧密の予測にはパラメータの非線形性と不均質性を同時に考慮する統計的非線形モデルを用いている.このモデルの採用によって,沈下計測値と間隙水圧計測値のどちらに対しても,解析を実測値によく適合させることができた.
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  • 鈴木 健吾, 丸山 收, 関屋 英彦, 小西 拓洋, 三木 千壽
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_45-I_51
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    橋梁において,走行車両によって生じる振動は,橋梁の疲労損傷を進行させる原因となる.橋梁の維持管理において,振動を発生させる交通荷重の車両重量を継続的に把握することは,極めて重要である.現在,橋梁上を通行する車両の軸重等を間接的に計測するシステムとして,車両通行時に発生するひずみ応答の解析から走行車両の荷重計測を実施するBWIM(Bridge Weigh-In-Motion)がある.本研究はBWIMを目的として,制御理論を用いて1自由度移動荷重-梁系における梁の応答から移動荷重の梁に対する荷重効果および車両重量を同定する手法の基礎的検討をしている.試算では路面凹凸の有無による2通りの同定精度の検討を実施した.
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  • 斉木 功, 西井 大樹, 岩熊 哲夫
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_53-I_62
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    箱断面や複数の桁を有する橋梁において,ウェブ間隔や桁間隔がスパンに比べて広い場合,フランジ上の曲げひずみはせん断遅れにより橋軸直角方向に一様でなくなる.せん断遅れの解析は,せん断遅れによる変位分布の仮定を用いた解析的手法が開発され,変位を級数展開で表した解析的手法に発展している.著者らは,せん断遅れの変位を有限要素法を用いた均質化梁理論で求め,それを従来の解析的手法に組み込んだ簡便な半解析的手法を提案した.本論文では,均質化梁の数値解析から得られるせん断遅れに起因する変位の断面内の分布を考慮することにより,著者らの提案した半解析的手法の精度向上を試みた.その結果,特にフランジ面内のせん断遅れに起因するせん断ひずみ分布について,参照解との誤差を,著者らの過去の手法に対して半分程度とすることができた.
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  • 伊藤 真一, 小田 和広, 小泉 圭吾
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_63-I_74
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    斜面崩壊の発生には雨水の浸透が大きく影響するため,現地斜面における土壌水分特性の把握は重要である.近年,土中の水分量を現地計測するシステムが盛んに開発されており,それらの計測結果に基づく土壌水分特性の逆解析が着目されている.本研究では,現地計測結果に基づいて,高精度かつ短時間に土壌水分特性パラメータの確率分布を求めることができる手法の把握を目的として,粒子フィルタの3つの異なるアルゴリズムを用いたデータ同化をそれぞれ実施した.そして,同定された粒子の分布を用いたシミュレーションを通じて,現地計測結果に対する再現性を比較した.その結果,各ステップにおけるシミュレーションの実施回数を省略するアルゴリズムであるSIR_omitは,高精度かつ短時間でのデータ同化が可能であることが明らかとなった.
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  • 赤木 俊文, 青田 周平, 木元 小百合, 岡 二三生
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_75-I_86
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    地盤の内部浸食は土構造物一般に広く見られ,地盤工学上重要な現象であるがそのモデル化において内部浸食に起因する地盤変形や内部浸食の発展則は研究段階にある.本研究では多相連成解析手法を応用して,土骨格の変形,間隙水の流れ,内部浸食および土粒子の移流を考慮した解析手法を提案する.内部浸食に関する構成式として,内部浸食の発生条件および内部浸食の進行速度を規定する構成式を組み込んだ.計算例として,本手法を用いてsuffusion (細粒分流出現象)の計算を通して,主として土粒子の浸食量に着目してモデルの特性と適用性について検討したものである.
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  • 野村 泰稔, 内山 洸, 野阪 克義, 日下 貴之
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_87-I_96
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    構造物の健全性を評価する上でき裂の検出は重要であり,多くの方法が提案されている.中でも可視光画像を用いた方法は簡便で有望視されており,パターン認識手法を利用したき裂検出システム等が提案されている.しかし,これらはき裂そのものに着目した方法であり,不可視の状態にあるき裂を検出することはできない.本研究では荷重変動に伴うき裂開閉挙動に着目し,き裂の発生・進展前の画像を必要とせず,不可視な状態にあるき裂を検出するシステムの開発を目的として,デジタル画像相関法により被写体表面の変位場を取得し,き裂開口に伴う見かけ上のひずみ場を算出・評価する.コンクリートおよびあらかじめ切断された鋼板にCFRPを接着した供試体に対して実証試験を行い,本システムの有効性を検証した.
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  • 柴田 俊文, 西村 伸一, 珠玖 隆行
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_97-I_107
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,模型実験の結果に基づき粒子フィルタによりパラメータの同定を行い,得られた同定値により,二次圧密を含む長期沈下予測を実施した.ここで,圧縮係数,透水係数,初期体積ひずみ速度,二次圧密係数に加え,ポアソン比を同定パラメータとして採用し,逆解析を行った.さらに,関口-太田の弾粘塑性モデルの降伏関数を,異方性を考慮した修正Cam-clayモデルに変更し,水平変位の予測精度の向上を図った.解析の結果,逆解析手法で得た同定値を使用し,かつ異方性を考慮した修正Cam-clayモデルを用いることで,鉛直・水平変位と間隙水圧に関し精度の良い挙動予測を確認できた.
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  • Ireshika KARUNARATHNA, Lalith WIJERATHNE, Muneo HORI, Tsuyoshi ICHIMUR ...
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_109-I_119
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    This paper presents a formulation of unified models for beam and shell in curvilinear coordinate system, based on meta-modeling. Traditional structural mechanics is restricted to simple geometries and governing equations are available for a handful number of simple geometries. They are mainly derived based on stress resultants equilibrium of free body diagrams. This gives difficulty in analyzing structural elements with complex geometries analytically and numerically; involving tedious and error prone process. These limita- tions can be eliminated by formulating beam and shell theories for arbitrary geometry defined in curvilinear coordinate system, based on continuum mechanics. Motivated by this improvement, main objective of this work is to develop beam and shell models for arbitrary geometry, using curvilinear coordinate system based on meta-modeling. Meta-modeling guarantees the consistency of the derived beam and shell mod- els with continuum mechanics and tensorial formulation in curvilinear coordinates produces models valid for arbitrary geometries. Governing equations for any specific geometry can be easily obtained simply by substituting the metric tensor of the coordinate system for the problem. This work is mainly based on first order approximations of field variables involved and standard variation process of Hellinger-Reissner func- tional. Some verification tests are done with simple geometries found in literature and it can be clearly seen that they are well matched with literature. Some analytical advantages of derived models are: availabil- ity of governing equations for arbitrary geometries; possible rigorous treatment of material non-linearity; etc. while some numerical advantages are: reduction of per-node number of degrees of freedom; faster convergence of iterative solvers; reduction of number of elements required; increase in accuracy; etc.
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  • 井上 一哉, 上田 祥央, 田中 勉
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_121-I_132
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本研究では,水溶性物質の地下水揚水可能範囲を集粒域と定義し,集粒域の確率空間分布を時系列推定する方法について示した.領域内に不規則配置した粒子群の移流分散挙動をランダムウォーク粒子追跡法により解析し,揚水井への粒子流入の有無とトラベルタイムを記憶した.地球統計学的に生成した100種類の不均質透水場に対するすべての粒子の輸送情報を任意幅の格子内にてアンサンブルすることで既定の経過時刻に対する集粒域の確率空間分布として求め,境界条件や揚水量,揚水井の数を変えた条件に対応した集粒域の時系列分布を提示した.また,集粒域分布の不確実性評価としてエントロピーを導入し,集粒域規模の拡大に呼応した不確実性の増加を定量化した.さらに,分散現象の効果により集粒域の面積は集水域より大きくなることを示した.
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  • Sumet SUPPRASERT, Lalith WIJERATHNE, Jian CHEN, Muneo HORI, Tsuyoshi I ...
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_133-I_142
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    We developed an equivalent continuum form for brick structures based on continuumnization proposed by Hori et al.1) This allows one to analytically study the characteristic properties of masonry brick walls, and apply numerical techniques used in continuum mechanics to simulate brick structures. Further, the continuum form opens up the possibility of developing simplified models like shells or beams, which will be convenient in designing brick structures. Based on the continuum form, we study how the wave char- acteristics, like wave speeds, etc., change according to brick arrangement and material properties. Further, we develop a PDS-FEM model2) for simulating brick structures and verify the developed model comparing numerically obtained wave speeds with that of analytical predictions.
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  • 西口 浩司, 車谷 麻緒, 岡澤 重信, 坪倉 誠
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_143-I_154
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文ではオイラー型有限要素法において物質界面の滑りを伴う接触解析を可能とする方法を提案する.オイラー型有限要素法は,大変形問題や自由移動境界面を生じる問題に対して有効な手法の一つであるが,従来のオイラー型解法で複数の固体材料を取り扱う場合,基礎方程式の空間平均化(混合体理論)により各物質の界面が完全に固着したモデル化となっていたため,物質界面の滑りを伴う接触問題を解析するのは困難であった.そこで本論文ではphantom-node法により物質ごとに独立な速度場を定義し,PLIC法と呼ばれる界面捕捉法により各要素で線形近似した物質界面の接触条件をペナルティ法で制御する手法を提案する.そして,単純な固体接触問題で本手法の妥当性と有用性を検討する.
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  • 桐山 貴俊, 肥後 陽介
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_155-I_165
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    物理量を評価する物理空間および運動を評価する計算空間を分離して数値解析を実行する計算法としてMPMがある.MPMでは,物理空間における物理量は補間関数を用いて計算空間へマッピングし,計算格子を用いて運動を解く.計算空間から求まる運動をリマッピングすることで,物理空間における各種物理量を算出する.MPMは物質点を質点とする手法であるが,後に,その支配領域を考慮するGIMP法が提案され,近年提案されたCPDI法では,物質点に任意の支配領域を持たせる手法へと発展してきている.CPDI法は,領域積分に直接積分を用いた手法として提案され,2次元の定式化が示されている.しかしながら,直接積分に基づく手法は,3次元の定式化へ拡張する場合,補間関数の導出が複雑であり,かつ,数値計算の実装が困難であった.本論文では,CPDI法に数値積分を導入した手法として新たにAPDI法を提案する.APDI法は,任意の支配領域であっても統一した手順で領域積分することを可能とし,3次元空間でも実装可能な補間関数の算出手順を有している.本論文では,地盤材料を用いた解析例を通して,提案する手法の適用性,定量評価手法としての有効性を合わせて確認する.
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  • 中川 英則
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_167-I_177
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    スペクトル確率有限要素法(SSFEM)を弾塑性体の解析に用いる場合,要となる点は,確率的に変動する接線剛性行列の評価とその評価点となる応力をどう求めるかということである.その一つの方法が,boundingmedia理論に基づいて開発された非線形スペクトル確率有限要素法(NL-SSFEM)である.この手法は微小変形および確率変動が小さい場合を仮定して開発されたものであるが,例えばこれを有限変形の範囲にまで拡張することを考えると,bounding media理論を基礎におく限り,これまでと同様に確率変動が小さい場合という仮定が必要となり,その取り扱いもより複雑となる.このことを見越して,本研究では,微小変形の仮定の範囲ではあるが,NISP (Non-Intrusive Spectral Projection)と名付けられたアプローチを接線剛性行列の評価に際して局所的に取り込むことで,これまでとは異なる視点からNL-SSFEMの構築を行うと伴に,その利点と欠点について検討する.
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  • 鳥生 大祐, 牛島 省
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_179-I_186
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本研究では,著者らが提案した圧縮性流体と固体の熱連成計算手法を鉛直配置された水平2円柱周りの自然対流に適用した.この計算手法では,圧縮性流体と固体から構成される場を1つの混合流体としてモデル化し,流体領域の流れと固体内部の熱伝導を統一的に扱う.また,圧力の計算段階を陰的に行うことで,低マッハ数の圧縮性流れを高速に計算できる.なお,基礎式のモデル化を行う際には,流体と固体で密度と比熱に大きな差がないと仮定している.以上のような計算手法を鉛直に配置された温度一定の高温2円柱周りの自然対流に適用し,実験結果との比較から,得られた温度分布の妥当性を確認した.また,熱伝導性を有する円柱が内部発熱する条件で数値実験を行い,円柱の熱伝導率の影響を反映した妥当な温度分布が得られることを確認した.
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  • 坂 敏秀, 小磯 利博
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_187-I_196
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本研究では,建物と地盤の動的相互作用問題を3次元有限要素法によってモデル化した際に,効率よく解くための共役勾配法の前処理を提案する.対象モデルでは,建物モデルに梁要素やシェル要素を,地盤にソリッド要素を用いることを想定する.この前処理を提案するにあたっての着眼点は,1) 梁要素やシェル要素でモデル化した建物モデル単体を,疎なコレスキー分解で高速に解ける点,および2) 動的相互作用モデルを共役勾配法で解く際の反復性状の悪化の原因が建物モデルにある点である.実際の数値計算では,建物部分とその近傍の地盤の前処理の求解に,密なコレスキー分解ではなく,疎なコレスキー分解を適用し,計算負荷を低減する.提案前処理を適用することで,代数的な意味において,係数行列から建物由来の成分を除去できる.そのため,建物モデルに含まれる梁要素やシェル要素に起因する反復性状の悪化を回避できると期待される.梁要素でモデル化した超高層建物の動的相互作用モデルを対象とした試計算を実施し,既往の前処理よりも少ない反復回数で精度のよい応答結果を提案法で得られること示す.また,試計算の残差力および残差モーメントを詳細に評価し,既往の前処理に対する優位性を定性的に示す.
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  • 筧 拓哉, 阿部 和久, 紅露 一寛, QUINAY Pher Errol Balde
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_197-I_206
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    周期複合材の一部に等間隔に欠陥を配置した周期層を対象に,動弾性場の二次元波動透過解析手法を構成した.欠陥部での波動散乱と等価な外力を設定することにより,欠陥の無い完全な周期層1ユニットの問題に帰着して解く方法を採った.周期層に平面波を入射する問題を例に,本手法による波動透過解析を試みた.その結果,欠陥導入によって,元の周期構造が有するストップバンドと同等な遮蔽特性を保持しつつ,その周波数域をさらに拡張し得ることを確認した.
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  • 吉町 徹, 谷川 将規, 樫山 和男
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_207-I_216
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では波動音響理論に基づく可聴化を含む騒音予測手法の構築に向け,インパルス応答解析手法の構築とVR技術を用いた可聴化システムの構築を行った.入力波として擬似インパルスを用い,解析手法にはCIP法および解適合格子法を用いた高精度かつ高効率なインパルス波の伝播計算手法を採用している.本論文では,入射波境界条件処理法として地面からの反射波の影響を正確に考慮するために鏡像音源を用いる方法を提案した.また,各格子点でインパルス応答と音源データとの畳み込みにより得られた結果を,VR技術を用いて可聴化を行う手法を構築した.本手法の妥当性と有効性を検討するため,遮音壁を有する三次元伝播問題に適用した.
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  • 丸山 泰蔵, 斎藤 隆泰, 廣瀬 壮一
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_217-I_226
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,3次元空間における接触条件を考慮したき裂による弾性波の非線形散乱解析を行う.き裂面の接触音響非線形性による分調波発生現象のメカニズムは未だ明らかにされていないが,特定の形状や配置のき裂に対する分調波発生現象の2次元数値シミュレーション例(丸山ら,2015)が報告されている.本論文では,2次元の場合と類似した解析モデルに対して3 次元数値シミュレーションを実行し,分調波発生現象について考察を行う.高精度かつ安定に解析を行うため,数値シミュレーション手法には陰的Runge-Kutta法をベースとした演算子積分時間領域境界要素法を用いる.
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  • 池田 貴昭, 後藤 浩之, 澤田 純男
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_227-I_235
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    現在,盛土の耐震性能評価は多くの場合円弧すべりによる破壊を仮定しているが,実際の地震被害では引張破壊によると思われる開口クラックも観察されている.引張破壊を考慮した盛土の地震応答解析も行われているが,構成モデルにひずみ軟化を導入するといった連続体としての表現に留まっているため,ひずみの局在化や,クラックの開口・閉合といった現象を取り扱うことはできなかった.本研究は,クラックのように変位の不連続面が発生し進展する問題に対して有効な拡張有限要素法を用いて,動的荷重下で盛土に引張クラックが発生・進展する様子の表現を試みた.材料パラメータ等を変更することで,天端と法面から引張クラックが発生して盛土内部へと進展する破壊パターン,および円弧すべり状のせん断破壊面が発生する破壊パターンの双方を表現した.
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  • 斎藤 隆泰, 下田 瑞斗, 稲垣 祐生, 廣瀬 壮一
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_237-I_246
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,異方性弾性波動問題に対する演算子積分時間領域境界要素法を援用して,異方性板内部の欠陥に対する逆散乱解析を行い,その有効性について検討する.近年開発が進んでいる演算子積分時間領域境界要素法は,従来の時間領域境界要素法に比べて,時間増分が小さく,総ステップ数が大きい場合でも時間安定であるため,より実用的な方法である.本研究では,まず,計算時間や記憶容量を削減するために,演算子積分時間領域境界要素法にグリーン関数を適用し,異方性板内部の欠陥に対する散乱波動場を求める.次に,同様にグリーン関数を用いて異方性板内部の欠陥に対する逆散乱解析手法を構築する.この際,Born近似を適用し,直達散乱波,異方性板底面での反射を含んだ散乱波,および,それら2つを含んだ散乱波形を用いて逆散乱解析を行う.数値解析例として,近年注目を集めている一方向炭素繊維強化によるCFRPに対して順解析および逆散乱解析を実行することで,本手法の有効性について検討する.
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  • 相馬 悠人, 根本 優輝, 車谷 麻緒
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_247-I_255
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,著者らが提案した数値実験手法をRCはりに適用し,実験結果の破壊挙動の再現性を検証する.この解析手法は,鉄筋の材料モデルにvon-Mises塑性モデル,コンクリートの材料モデルに修正von-Mises損傷モデルを適用し,鉄筋の幾何形状まで反映させた有限要素モデルを用いることで,RCはりの破壊力学挙動を3次元で詳細に再現できる方法である.この解析手法を,せん断補強筋の異なるRCはりに適用し,同条件の実験結果と比較することにより,構成モデルや材料パラメータを変えずに,せん断補強筋のモデル化の違いのみで,実験と同様の曲げ破壊とせん断破壊を定量的に再現できることを示す.
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  • 岡村 理一郎, 吉川 仁, 高橋 徹, 高木 貴弘, 樫山 和男
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_257-I_264
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,波動音響理論に基づく道路騒音の数値シミュレーション手法及び,VR技術を用いた可聴化手法の構築を行う.支配方程式として,非定常波動方程式を用い,離散化手法としては,外部問題に適している境界要素法を用いる.なお,時間域の境界要素法による大規模3次元非定常音場解析を行う際に現れる数値振動を抑えるため,安定化手法の導入を行った.数値解析例を通して,数値シミュレーション手法とVR技術を用いた可聴化手法の妥当性と有効性について検討した.
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  • 渡邉 あゆみ, 紅露 一寛
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_265-I_276
    公開日: 2017/01/29
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    バラスト道床のYoung率の空間的ばらつきが軌道振動解析結果に及ぼす影響について,スペクトル確率有限要素法に基づく軌道振動解析法を用いて検討した.車輪・軌道系の連成振動解析モデルは,はり・ばね・質点系のモデルをもとに,バラスト道床のみを2次元動弾性連続体でモデル化し,スペクトル確率有限要素法により離散化した.なお,軌道振動解析においては,バラスト道床の動的応答を数値Green関数を用いて考慮した.さらに,バラスト道床区間左右端からの不自然な反射波の発生を簡易な方法で抑制する目的で,粘性境界を構成し導入した.振動解析では,バラスト道床のYoung率の変動係数10%相当のばらつきを想定し,この空間的ばらつきとバラスト道床沈下の発生源外力であるまくらぎ・道床間作用力,軌道パッドの作用力,軌道系の振動を励起するレール・車輪接触力の変動量との関係について検討した.
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  • 山田 貴博
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_277-I_284
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    近年,数値シミュレーションの信頼性の確保のためのアプローチであるVerifiction and Validation(V & V)に注目が集まっている.数値計算手法の基本的特性の評価および数値解析コードの検証(verifiction)においては,Roache等によって提案された創成解の方法(Method of Manufactured Solutions)が流体力学の問題を中心に広く用いられている.一方,強形式に基づく従来の創成解の方法を固体力学の問題に適用する場合には,応力の空間微分を求めることが必要となることから,これまでは使われることが少なかった.この問題点に対して,筆者等は弱形式に基づくことで応力の空間微分を回避する手法を提案している.本研究は,この手法を超弾性体の大変形問題に対する創成解の方法に適用し,従来検討されることの少なかった大変形状態における有限要素法の近似特性の評価を行うものである.
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  • 凌 国明, 松本 純一, 樫山 和男
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_285-I_293
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文は,津波シミュレーションに対する非構造格子に基づく2次元・3次元ハイブリッド解析法を提案するものである.2次元と3次元の結合手法としては,双方向の連成が可能で適用性に優れる任意格子を用いたオーバーラッピング手法を導入した.支配方程式としては,2次元領域については浅水長波方程式とし,3次元ではNavier-Stokes方程式を用いる.数値解析例を通して,本手法の妥当性・有効性について検討を行った.
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  • 柳生 大輔, 牛島 省, 鳥生 大祐
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_295-I_302
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    堰を越流して落下した水流により14,400個の礫群が運動し,ある堆積形状となる過程の数値計算を行った.計算では,3次元固気液多相場の解法(MICS)を利用し,礫群の運動と越流水の力学的な相互作用を考慮した並列計算を行った.1個の礫を121個の四面体要素で表し,気液相の運動方程式から得られた圧力項と粘性項を利用して礫に働く流体力を求める.礫どうしの接触力は,礫モデル内部に任意に配置した接触判定球を用いて,DEMにより算出する.224並列処理により,逐次計算に対して約50倍の計算速度となった.計算結果から,堰を越流した水流により礫が巻き上げられる挙動が再現され,越流停止後は礫群は洗掘された配置となった.越流量を増加させると,最大洗掘深および洗掘範囲が増加するという既往実験と同様の傾向が得られた.
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  • 今村 純也
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_303-I_312
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    論文集vol.2で還元法の連続体への適用法を提案した.線材架構での既報技法の発展形である.連立式が代数的(無限桁)に解ければ力学の問題はないが,現実は桁数制限が在る.部分架構の剛性が非常に大きければ,少ないbit数で解くことに等しい.還元法では仮数部24bitで,うち有効8bitの剛性落差でも実用解を得る.絶対値最大pivot選択の消去法で解くことで,変位法/応力法の長所のみ採れる係数行列であることによる.その効率的アルゴリズム提案が第1の目的である.
    連続体の検証に用いたC1連続な変位型有限要素法は汎用性がない.その問題点を指摘し,新たなスキームを提案して検証することを第2の目的とした.現在の仮数部56bitでは還元法の冗長さが裏目に出、変位法の方が実用解を得,実用的との知見を得た.提案のアルゴリズムは変位法にも大変有効に適用できる.
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  • 車谷 麻緒, 小林 賢司, 安藏 尚, 岡崎 慎一郎, 廣瀬 壮一
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_313-I_322
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,ひび割れの3次元幾何形状を再現可能な数値解析手法を用いて,内部ひび割れを有する鉄筋コンクリート中の塩化物イオンの拡散シミュレーションを行い,既往の実験結果を定量的に再現できることを示す.内部ひび割れの3次元幾何形状の再現には,コンクリートの破壊力学に基づく損傷モデルを用いたひび割れ進展解析を適用する.ひび割れを考慮した物質移動解析には,材料の損傷を考慮した非定常拡散解析を適用する.数値解析例として,内部ひび割れを模擬した3次元ひび割れ進展解析を行い,提案手法はメッシュサイズに依存せずにひび割れ幅を定量的に評価可能であることを示す.そして,既往の実験を模擬した数値シミュレーションを行い,内部ひび割れを有する鉄筋コンクリート中の塩化物イオン濃度を定量的に評価できることを示す.
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  • 松丸 貴樹, 渦岡 良介
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_323-I_334
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本研究では,繰返し載荷を受ける不飽和土の動的挙動の予測精度の向上を目的として,繰返し載荷中の間隙比の減少に着目し,土骨格の構成式と水分特性曲線への間隙比の変化の影響を考慮する手法を提案した.また,任意のサクション・飽和度の状態からの繰返し載荷の挙動を記述できるように,繰返し載荷時に水分特性曲線が主吸水曲線を指向する走査曲線上を辿る手法を導入した.
    これらの手法を非排気・非排水条件下での繰返し三軸試験の支配方程式に導入し,2種類の不飽和繰返し三軸試験のシミュレーションを行った.提案した手法を用いることで,実験で得られたサクションや骨格応力の減少,発揮される軸差応力の大きさなどをより良く記述できることがわかった.
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  • 福元 豊, 大塚 悟
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_335-I_343
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    浸透流を伴う土のマイクロメカニクスを調べるために,浸透流と土粒子の両方をLattice Boltzmann Method(LBM)とDiscrete Element Method(DEM)を連成させて効率良く直接解くことが出来る数値計算手法について検討した.まずは,浸透流の計算に対する数値安定性を高めるために,Multiple Relaxation Timeモデル(MRTモデル)を導入した.また,3次元で土粒子の大きさ以下の解像度で浸透流を扱う場合は必然的に計算コストが高まるため,LBMの並列性の高さを損なわないような連成モデルとしてPartially Saturatedモデル(PSモデル)を選択した.そして,これらを新たに組み合わせたPS-MRT Lattice Boltzmannモデルの妥当性と地盤工学への適用性について検証した.
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  • 上田 恭平, 井合 進
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_345-I_356
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本稿では,元来は砂の力学モデルとして提案されたひずみ空間多重せん断モデルを参考に,多重せん断機構の概念に基づく有限変形を考慮した新たな弾性体構成式を提案した.提案モデルでは,多重せん断機構を構成する仮想的な各単純せん断機構(仮想単純せん断応力と仮想単純せん断ひずみの関係)に対して,線形もしくはひずみ軟化を考慮した非線形関係を与えている.また,大変形現象に伴う幾何学的非線形性を考慮できるよう,有限変形理論における物質表示と空間表示の双方による定式化がなされている.提案モデルの妥当性を検証するため,ゴム材料の引張試験(単純せん断および純せん断)を対象にシミュレーションを行ったところ,モデルパラメータとしてせん断弾性係数と仮想単純せん断機構におけるせん断強度(もしくは参照ひずみ)の2つを適切に調整することで,試験結果を概ね再現できることがわかった.
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  • 沖中 知雄, Lalith Wijerathne
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_357-I_365
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    一軸圧縮荷重下でのウイング型き裂の進展挙動を実験と数値解析を用いて検討する.一軸荷重下で,進展開始と停止を繰り返しながら成長するウイング型き裂の進展挙動を超高速ビデオカメラを用いて画像計測する.光弾性手法を用いて供試体中の主応力差を干渉縞として可視化することにより,き裂の進展に伴う供試体中の応力場の変化を,き裂進展状況とあわせて画像計測する.
    次に,計測された供試体中の応力場を数値解析により再現することを試みる.解析手法として不連続性を表現できる解析手法であるPDS-FEMを採用し,2次元の動的解析を行った.数値解析により再現された供試体中の応力場は実験結果と比較することにより,解析手法の精度を検証する.
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  • 籾井 秀斗, 堤 成一郎, Fincato Riccardo
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_367-I_378
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    非比例負荷を受ける材料の非弾性変形挙動の予測精度を向上する目的で,塑性ポテンシャル面接線方向の応力速度により生じる非弾性ひずみ速度を表現する接線塑性弾塑性構成式が提案されている.しかしながらこれまでの接線塑性弾塑性構成式の定式化では,一般に高サイクル金属疲労となる降伏応力以下の一定応力振幅下における非比例繰返し負荷サイクルの増大に伴う非弾性ひずみ速度の増加,いわゆる繰返し軟化挙動を表現し得ない.そこで本論では,金属材料を対象として,非比例繰返し負荷条件下で発現する繰返し軟化挙動の表現を目的に,接線塑性弾塑性構成式を拡張した.本構成式を用いた非比例円形繰返し負荷条件下の数値解析を実施し,従来の弾塑性構成式による数値解析結果と比較することで,拡張した接線塑性弾塑性構成式の応答特性を詳細に把握した.
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  • 堤 成一郎, 植田 一史, 佐野 智一, 崎野 良比呂
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_379-I_386
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    鋼構造物の長寿命化対策の一つとして,疲労き裂発生が懸念される箇所へのピーニング処理技術の開発が進められている.本処理技術の中に,高強度かつ短波長のレーザーを部材表面に照射し,プラズマ発生時の衝撃波を利用するレーザーピーニング(LP)技術が存在する.しかし,そのプロセスは超高ひずみ速度下の現象を活用する手法であり,プロセス中に生じる諸現象の計測が困難なことなどから,残留応力導入や表面変形のメカニズム,さらには最適施工条件等について,不明な点が多く残されている.本研究では,施工中にレーザー閉じ込め媒質が必要とされるナノ秒LPおよび閉じ込め媒質が不要なフェムト秒LPについて,材料特性のひずみ速度および温度依存特性を考慮した数値シミュレーションを実施し,残留応力,材料硬化および表面変形に関する諸特性の比較を行うことにより,両LPプロセス技術の特徴について明らかにする.
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  • 大島 義信, 宮川 豊章
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_387-I_397
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,コンクリート透過弾性波における減衰特性のうち散乱減衰と材料減衰の分離をめざし,数値シミュレーションおよび実供試体を用いて,散乱減衰・材料減衰の評価,および骨材のランダム性の評価を行った.散乱減衰の評価では,時系列波形の位相構造である群遅延時間のランダム性をHurst指数を用いて評価した.また,材料減衰の評価では,P波の減衰定数としてのQp値を求め,散乱減衰との相関を確認した.一方,骨材のランダム性をセミバリオグラムの特性値であるシルおよびレンジにより評価した.その結果,Hurst指数レンジとの相関が強いこと,Qp値はマトリクス部分の影響を受けるが,骨材界面の影響も受けることが明らかとなった.
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  • Keisuke OTAKE, Siliang GUO, Takashi MATSUSHIMA
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_399-I_407
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    A series of cylinder drag experiments were conducted using the density-matching Poly-Styrene Beads particle-fluids mixture to study the flow characteristics of liquefied sands. PIV technique was used to visualize the velocity fields around the moving cylinder. SPH (Smoothed Particle Hydrodynamics) simulations were also conducted to compare with the experimental results. Experiments results show that the solid fraction of 0.555 is quite important in this particle fluid mixture because the drag force exerted on the cylinder increases sharply with the solid fraction if it is greater than this value. This value coincides with the random loose packing density of mono-disperse spheres. PIV analysis shows that the velocity fields are quite localized around the cylinder, and the localized zone is expanded more in the moving direction than in the perpendicular direction. On the other hand, it turned out that the SPH simulations with a simple viscous fluid model cannot reproduce the similar velocity field, which indicates this particle-fluid mixture cannot be regarded as viscous fluid.
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  • 中井 健太郎, 野田 利弘
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_409-I_418
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本論文では,液状化危険度の高い地盤上に実在する煙突を対象に,二次元平面ひずみ条件下での地震応答解析を実施し,地盤-構造物相互作用系における耐震性評価を行った.その結果,地震波が構造物の固有周期帯を多く含んでいると,共振によって構造物の揺れが大きくなることに加えて,液状化によって剛性を失った地盤が煙突を支えることができず傾倒してしまうことを示した.つまり,地盤の上に建つ構造物の地震時挙動は,加速度の大きさのみで評価できるのではなく,構造物の固有周期と入射される地震動の卓越周期との関係性が極めて重要であることを意味する.また,地盤の不整形性および周辺構造物の影響評価を行ったところ,深部地層の傾斜や周辺構造物による引きずり込み沈下によって,上部構造物の地震時安定性が低下することを示した.
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  • 金原 匡隆, 松島 亘志, 高木 周, 大島 拓也, 長藤 圭介, 桑山 明規, 井上 哲, 岡田 弘
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_419-I_427
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    本研究は,3次元個別要素法(Discrete Element Method, 以下DEM)解析により磁性粉体の束状クラスタの強度発現とクラスタ形成のメカニズムを解明することを目的とする.まず,無限鎖クラスタの理論解との比較によって磁性粉体相互作用モデルを組み込んだDEM解析の妥当性の検証を行い,次にmmサイズの鋼球を用いた単一鎖の実験との比較を通して,実現象との整合性の検証を行った.その上で,μmサイズの磁性粉体のせん断クラスタ解析を行い,大島ら4)の実験データと比較し,(1) 単一粒度粉体のせん断強度が正規粒度粉体よりも大きいこと,(2) せん断強度と粉体束状クラスタの傾斜角に相関が認められること,(3) 束状クラスタ内の粒子接触点の方向角分布も,束状クラスタの傾斜角と関連していること,などを明らかにした.
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  • 内藤 直人, 前田 健一, 今野 久志, 牛渡 裕二, 鈴木 健太郎, 川瀬 良司
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_429-I_440
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    敷砂緩衝材の底面境界の剛性と落石衝突時に生じる衝撃力の関係を把握するため,二次元DEM解析によって異なる底面境界剛性を有する緩衝材中の応力波伝播挙動について調べた.主な結果は以下のとおりである.1)二次元DEM解析でロックシェッド頂版を弾性梁で簡易的にモデル化した場合,緩衝材下部が剛基礎条件の場合に比べて落体衝撃力の最大値は小さく,構造体条件の方が継続時間は長くなるという実験結果を定性的に表せることを確かめた.2)緩衝材底面で反射して上向きに伝播する反射応力波が通過した部分から構造体条件の平均主応力が剛基礎条件に比べて小さくなる.3)構造体条件では落石の自由落下衝突によって緩衝材底面境界が下向きに変位する分,剛基礎条件に比べて底面境界付近の粒子群が低密度化するため,反射応力波の平均主応力が小さくなる.
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  • 加賀美 岳志, 松島 亘志
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_441-I_447
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    乾燥状態での粒状体固体中の小粒子透過現象においては,小粒子サイズが間隙サイズに対して相対的に大きくなると透過率が減少する一方で,逆に小粒子サイズが数十ミクロン程度より小さくなっても透過率の減少が確認される.これはファンデルワールス(vdW)力や静電気力といった粒子間付着力が重力に対して無視できなくなるからである.本研究は,実験と3次元個別要素法(DEM)解析により,粒子間付着力や粒子形状が小粒子透過挙動に及ぼす影響について検討を行った.実験ではガラスビーズ,砕石などを用い,様々な小粒子サイズに対して透過率を測定し,DEM解析では付着力モデルとしてvdW力式を導入し,その大きさを変えながら実験と同様の解析を行った.その結果,実験結果を定量的に説明できるvdw力の係数を同定し,実験結果をDEM解析でおおよそ再現することができた.更に,付着力なしの解析結果との比較により,数百ミクロン程度の小粒子の透過率においても付着力の影響が無視できないことなどの知見を得た.
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  • 森口 周二, 太田 勇真, 高瀬 慎介, 寺田 賢二郎, 阿部 慶太, 青木 尊之
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_449-I_457
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    個別要素法を用いて土砂の衝撃力を評価をする上で重要となる計算条件の整理を目的として,大規模土砂流動実験の再現解析を実施した.特に,要素サイズや要素形状を変化させることで,これらの要因が解析結果に及ぼす影響について調べた.その結果,要素サイズの重要性や,球形要素と非球形要素の特性などが明らかとなった.また,得られた知見に基づいて個別要素法を衝撃力評価に用いる際の評価フローを提案し,工学的な観点から留意点などについて整理した.
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  • 横嶋 哲, 藤井 秀太, 宮原 高志
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_459-I_465
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    流体よりも十分に重い,いわゆる微小慣性粒子が乱流中で偏分布(クラスタリング)することはよく知られている反面,わずかに重い粒子もクラスタを形成するかどうかは明確でない.本研究では粒子の比重を幅広く変化させ,一様等方乱流中の粒子のクラスタ形成に粒子の比重が及ぼす影響を数値実験によって検討した.比重が1.005とわずかに重い粒子では,初期に粒子と流体の速度に差異がある場合のみ,過渡的な粒子の集積が確認されたものの,その集積の程度は非常に弱く,背景乱流場のコルモゴロフ時間の数10倍程度の時間で解消される.比重の高まりとともに粒子クラスタは視覚的にも容易に認識できるようになり,比重が100前後に達するとクラスタ特性はもはや比重に依存せず,すなわち慣性粒子とみなせることが確認された.
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  • 横嶋 哲, 河原崎 真哉, 河原 能久
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_467-I_475
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    キャノピー流れの工学的な予測手法である抗力モデルは未知の流れに対して抗力係数CDをどう与えるかが課題である.著者らは抗力モデルを用いた3次元LES計算(主解析)に先立ち,予備解析と称するいわばキャノピー流れの直接数値計算を行い,その計算結果からCDを推定する手法の可能性を検討してきた(土木学会論文集B1 71(4) I_1051 2015 およびA2 71(2) I_703 2015).本報ではこの手法に2つの修正,(i) 予備解析結果に主解析の空間解像度と同程度の空間粗視化フィルタを施し,(ii) その粗視化された予備解析結果からCDだけでなく樹木群密度も併せたCDλを見積もる,を加えた.この修正によって,モデルパラメータに対する主解析の空間解像度の影響を陽に考慮できる.この新たな手法を樹木群を過ぎる直線開水路流れに適用し,対応する水理実験結果およびCD推定に関する著者らのこれまでの試みとの比較によってその有効性を確認した.
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  • 北園 和也, 木村 一郎, 清水 康行
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_477-I_484
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    三次元流モデルと流木モデルをカップリングした流木挙動予測モデルを作成した.流木がスタックする現象は重要であり,スタック現象では衝突および流木から水への抗力が大きく関係する.複数の流木衝突をDEM (distinct element method)により考慮し,流木から水に影響を与える抗力をTwo-wayモデルで考慮した.構造物周りにおける流木挙動予測を行うため,某ダムを対象とした模型実験の結果と同条件で計算を行い両者を比較をする.衝突効果の有無およびTwo-wayモデル効果の有無による計算結果の違いを流木の定性的挙動,流木捕捉率,平均水位,平均水面速度を比較する.
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  • 吉田 圭介, 前野 詩朗, 竹内 章人, 赤穗 良輔, 飯干 富広, 荒木 大輔
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_485-I_494
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    津波が海岸堤防を越流する際に裏法尻地盤を洗掘するのを緩和するため,現在,コンクリートブロックを使った裏法尻保護工が検討されている.しかし,ブロックの安定性や工法の有効性は十分明らかでなく,また射流場のために模型実験による流況計測は一般に困難である.そこで,本研究では津波越流時の保護工周辺の流況を数値解析し,ブロックに働く流体力を評価した.また,同一条件下で模型実験を行い,両結果を比較することで数値解析の妥当性を検討した.その結果,水位,流速,圧力といった流れ場は数値解析によって概ね再現された.一方,ブロックに働く抗力や揚力は実験結果を概ね再現したが,ブロック設置状況の僅かな違いで影響を受けるために,揚力値の定量的な再現性には課題が残された.
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  • Ahmed M. ABDELRAZEK, Ichiro KIMURA, Yasuyuki SHIMIZU
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_495-I_504
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    In this study, a Lagrangian formulation of the Navier-Stokes equations, based on the weakly compressible smoothed particle hydrodynamics (WC-SPH) method, was applied to simulate the seepage failure around sheet-pile. In this simulation, the advantages of SPH will be exploited to simulate the soil-water interaction. Water is considered as a viscous fluid with weak compressibility and soil is assumed to be an elastic-plastic material. The elastic-perfectly plastic model based on Mohr-Coulomb's failure criterion is implemented in SPH formulations to model the soil movement. Interaction between soil and water is taken into account by means of seepage force and pore water pressure. Numerical Simulation of the 2-D classical seepage failure problem of horizontal ground with an embedded sheet pile has been done. The numerical results were verified by comparison with model test results, the results have shown that the proposed model could be considered a powerful tool to simulate extremely large deformation and failure of soil.
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  • Fei YANG, Ichiro KIMURA, Yasuyuki SHIMIZU, Xudong FU
    72 巻 (2016) 2 号 p. I_505-I_513
    公開日: 2017/01/29
    ジャーナル フリー
    Secondary flow effects are considered in two dimensional depth averaged model to simulate the open channel flow in a sharp bend channel, and the simulated flow structures are compared with different kind of secondary flow models: Nays2DH solver without considering the secondary flow effect in flow equations; Onda et al model using nonlinear secondary flow equation with additional nonlinear transport equation for secondary flow strength; a new nonlinear secondary flow model which considers the secondary flow effect on the vertical distribution of streamline velocity and the inertia effect of the secondary flow advection. These three model results are compared to experimental results. Large difference of flow structures between Nays2DH and the experimental result means that 2D (two-dimensional) depth averaged model without secondary flow effect is inapplicable for sharp bend flow prediction. Obvious weaker deviation of the mainstream from inner bank of Onda et al model than that of the experiment shows that Onda et al model is insufficient for strong nonlinear phenomenon in a sharp bend. Mainstream deviation and other unreasonable structures in linear model from the experiment are similar proofs that a refined nonlinear secondary flow modelling is necessary in simulation of sharp bend flow.
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