2016 年 72 巻 2 号 p. I_217-I_226
本論文では,3次元空間における接触条件を考慮したき裂による弾性波の非線形散乱解析を行う.き裂面の接触音響非線形性による分調波発生現象のメカニズムは未だ明らかにされていないが,特定の形状や配置のき裂に対する分調波発生現象の2次元数値シミュレーション例(丸山ら,2015)が報告されている.本論文では,2次元の場合と類似した解析モデルに対して3 次元数値シミュレーションを実行し,分調波発生現象について考察を行う.高精度かつ安定に解析を行うため,数値シミュレーション手法には陰的Runge-Kutta法をベースとした演算子積分時間領域境界要素法を用いる.