抄録
平成23年に音更川において発生した出水は,堤防を流失させる被害をもたらした.中規模な出水であったにも関わらず堤防が流失してしまった原因として,出水の継続時間が長かったことにより交互砂州が発達し,流れが横断方向へ偏倚したためと考えられた.そこで本研究では,交互砂州の発生・発達が河岸浸食に及ぼす影響を明確化することを目的とし水理模型実験を実施した.実験の結果,交互砂州の有無や移動の速さにより,河岸浸食の進行状況や浸食形状が変わることが確認され,河岸浸食現象と交互砂州は強い関係があることが分かった.