抄録
道路ネットワークの機能を測る指標として「連結信頼性」という考え方がある.これは各リンクの通行可能確率に基づいて,道路ネットワーク上のノードの組(OD)の到達可能性を連結確率として評価する方法である.到達可能性の判定にダイクストラ法を用いる場合,計算量がネットワークのノード数の2乗のオーダーで増加するため,大規模ネットワークへの適用性が課題である.そこで本研究では,ネットワークの分割と中心性ノードの抽出に基づいて,ローカルなネットワーク特性を保持したまま変数を集約近似するメソスケールのネットワークモデルの構築法について検討した.手法の適用性を検証するため,簡単な事例解析を実施し,提案手法はオリジナルモデルから直接計算で求めたOD連結確率の下界値を与える近似表現であることを確認した.