抄録
沖積河川の底面起伏は流下方向の波長が流路幅の数倍ほどの交互砂州を骨格とし,これが治水と自然環境の両者に密接に関係する.このため,その形成の条件と機構が研究されてきたが,特に形成機構の理解は不十分である.その要因の一つに,模型実験と実河川のそれぞれにおける交互砂州の発達過程の水面と水底の同時計測法の未確立が挙げられる.本研究では,まず模型実験において通水を維持したまま交互砂州の発達過程の水面と水底の曲面形状の同時計測法を開発し,つぎに固定床および移動床の模型実験を行い,同計測法の計測精度を検証した.その結果,長さ10メートルの実験水路の水面と流水中の水底の曲面形状を約10秒の計測時間で1cm四方の空間解像度で計測でき,流水中の底面形状を交互砂州の波高の数%程度の精度で測定できる事を示した.