抄録
本論文では,降伏関数にDrucker-Pragerモデルを用い,2次錐計画に基づく混合型3次元剛塑性有限要素法の定式化と地盤工学問題への適用を検討した.速度場は定ひずみ四面体3次元要素,応力場は面ベースで一定値に基づく,混合型の空間離散化を行った.また偏差応力テンソルの第2不変量J2の半正定値性に対して,安定化項を導入して数値解析の安定を図った.提案手法により1軸試験および平面ひずみ条件下での浅い基礎の支持力解析算と斜面安定計算を行い,安定化項の有効性と塑性変形が卓越する部分の要素分割が解の精度に寄与することを確認した.一方,支持力,斜面安定問題のいずれも,内部摩擦角の増加につれて,提案手法は危険側の解を評価することを確認した.原因として四面体定ひずみ要素の過度な変形拘束が考えられる.