2018 年 74 巻 2 号 p. I_603-I_614
本研究では,水平2方向の入力地震動の軌跡の特徴が地盤の非線形応答に及ぼす影響を3次元地盤地震応答解析よって検討した.2方向加速度応答スペクトルに適合した4種の加速度軌跡の水平2方向地震動を入力とし,地盤の非線形性を考慮した土柱モデルを対象に,周波数領域における等価線形解析と時間領域における逐次非線形解析の2種類の解析手法で,入力振幅を変化させた地震応答解析を行った.検討の結果,等価線形解析では,2方向入力の加速度軌跡の違いが地盤の最大応答に及ぼす影響が小さいことが明らかになった.また,多重せん断ばねモデルを用いた逐次非線形解析では,入力地震動を円形軌跡,実位相軌跡とした2方向入力の場合に,1方向入力と比べ,地盤の非線形応答によるせん断ひずみが大きくなる傾向となった.