2019 年 75 巻 2 号 p. I_289-I_300
本研究では,静止状態から約 3.2 秒間,鉛直下方に向かう平均流速約 1.2 m/s の円管噴流を平均粒径約 7 mm の礫群に衝突させる現象を対象として,実験と数値計算を行った.計算では,流体・固体連成並列計算手法を用いて,約 16,700 個の礫モデルと流体間の相互作用と,実際の礫粒子の概略形状を表す礫モデル間の衝突を扱う 1,088 プロセスの並列計算を行った.礫面洗掘現象の非定常過程を,(A) 非平衡洗掘状態,(B) saltation-collapse 平衡状態,そして,(C) 安息角静止状態,という 3 段階に分け,各段階の礫面形状を再現できることを確認した.saltation-collapse 平衡状態では跳躍・崩落礫モデル数ががほぼ等しい状態で大局的な礫面形状はほぼ一定であることを明らかにした.礫モデルの移動特性と,洗掘孔近傍で礫間流体圧が増加する可能性があることを示した.