2019 年 75 巻 2 号 p. I_411-I_420
本論文では,コンクリート分野の V&V(Verification and Validation),特に Validation に向けて,実験結果の再現性に焦点を当てた実験を実施した.具体的には,所有する試験機の異なる 5 つの研究機関において,同条件の実験を一斉に実施することにより,完全に統一することのできない載荷条件や拘束条件のわずかな違いによって,実験結果がどの程度影響を受けるのかについて比較検討した.曲げ破壊型およびせん断破壊型の RC はりを対象とし,それぞれの機関で得られた荷重-変位関係とひび割れ分布から,境界条件による影響の受けやすさ,荷重-変位関係とひび割れ性状との関連性について考察した.また,計算モデルの Validation の視点から,数値シミュレーションによる実験結果の再現性についても論じた.