土木学会論文集A2(応用力学)
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和文論文
剛塑性有限要素法による支持力解析に対する土の引張り領域の強度特性の影響
山栗 祐樹小林 俊一西藤 潤
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2020 年 76 巻 2 号 p. I_225-I_236

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抄録

古典的な浅い基礎の支持力理論では金属塑性論に基づく解析解を利用するが,地盤材料と金属材料では,引張り領域でのせん断強度特性が異なる.本論文では地盤材料の引張り領域でのせん断強度特性を反映するため,応力テンソルの第 1 不変量に引張りが生じない制約条件 I1 0 を破壊規準として追加し,剛塑性有限要素法による浅い基礎の支持力解析で影響を調査した.その結果,c(> 0), ϕ= 0 地盤上の滑らかな基礎の場合は,I1 制約の有無で得られる破壊モードが変化するが,その他の場合は大きな影響は見られず,応力場への影響も地盤浅部に限定される.一方,従来の混合型剛塑性有限要素法でc(> 0), ϕ= 0 地盤を解析する場合,数値的安定性に課題があったが,I1 制約の導入によって数値解の解析精度が向上し,数値的な不安定性も解消されることが分かった.

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© 2020 公益社団法人 土木学会
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