2021 年 77 巻 2 号 p. I_129-I_136
本研究では,粘弾性流体と周囲のニュートン流体の境界面である自由表面を有する流れの計算を行うために,2 流体について相平均された基礎方程式をコロケート格子有限体積法に基づいて計算する手法を提案した. 粘弾性流体の構成式として,非線形粘弾性モデルである Giesekus モデルを用いた.最初に,ニュートン流体および粘弾性流体のそれぞれに対して平行平板間流れの数値計算を行い,定常状態における流下方向の流速分布や粘弾性応力について,本研究の計算結果と理論解がよく一致することを確認した.次に,ダイスウェル現象の数値実験として,平行平板間からニュートン流体中に粘弾性流体が射出される計算を行い,射出後における粘弾性流体の厚みの変化について既往の計算結果と同様の傾向が得られることを確認した.