2021 年 77 巻 2 号 p. I_137-I_143
本研究では,閉口き裂による 3 次元散乱問題に対して調和バランス-境界要素法(HB-BEM)を拡張する.HB-BEM は閉口き裂による非線形散乱問題の定常解析を行う手法であり,これまで 2 次元問題に対して解析が行われてきた.しかしながら,現実の問題をモデル化する場合,3 次元的な影響を考慮する必要がある.HB-BEM の 3 次元問題への拡張のために必要となるき裂面の開閉,動摩擦をモデル化した境界条件の拡張を行う.基本的なき裂面の開閉,動摩擦現象が発生すると考えられる円形き裂による平面縦波,横波の散乱問題を解析する.数値解析結果を従来の時間領域解析結果と比較することで本手法の妥当性を示す.