2021 年 77 巻 2 号 p. I_349-I_358
コンクリート材料の乾燥による体積変化には,モルタルの特徴や体積率だけでなく,粗骨材の品質がモルタルに影響を及ぼす場合もある.資源の有効利用のために多様な副産物の利用が望まれるが,コンクリ ートに及ぼす影響は,従来の粗骨材の品質評価試験で十分に評価できない場合も考えられる.その際には,コンクリート内部のモルタルの挙動からその影響の検討が必要となる.そこで本研究では,その基礎段階として X 線 CT 画像を用いた輝度変化や 3 次元画像相関法により計測した各種ひずみを用いて,乾燥によるモルタル円柱供試体内部の挙動を検討した.その結果,輝度減少率と質量減少率との相関性や課題を明らかにし,その輝度減少率と水平断面内の体積ひずみとの相関が高いことを示した.また,円柱供試体の水平面では,垂直ひずみに差は見られないが,面積ひずみは表面に近いほど大きい傾向があった.