2021 年 77 巻 2 号 p. I_359-I_370
本研究は,質量 6kg,直径 50mm の平坦状の先端を有する飛翔体を,速度約 40m/s―100m/s で板厚 6mm, 9mm および 12mm の SS400 鋼板に対して衝突させる実験を行い,鋼板の貫通挙動について検討を行ったものである.実験では飛翔体の挙動を明らかにするとともに,鋼板の変形および貫通破壊挙動を考察した.また,数値解析により検討した鋼板の変形および貫通破壊メカニズムを基に,エネルギーを基準とした設計法の概念を検討した.完全塑性衝突による運動エネルギーの散逸を考慮し,鋼板の吸収エネルギーを塑性ヒンジ形成と板の面内方向の吸収エネルギーの和であると仮定したモデルを提案した.