土木学会論文集B
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和文ノート
貯水池堆積物の嫌気化に関する実験的検討
松梨 史郎今村 正裕井野場 誠治
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2006 年 62 巻 2 号 p. 180-185

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抄録
 ダム貯水池堆積物の質的な変化は,湖沼水や下流河川水質に及ぼす影響が懸念されるため,物理的な観点のみではなく,化学的な観点からの検討が必要である.本研究ではダム貯水池で採取した堆積物と湖水を用いて,実験室内で10℃で,直上水の溶存酸素が飽和状態で,水質・底質変化の8ヶ月間の追跡実験を行った.その結果,時間の経過とともに,-9cm~-11cm層において,堆積物中の有機態窒素・リンは減少した.間隙水中のアンモニア態窒素・リン酸態リンは増加し,堆積物中の有機物が分解し間隙水中に移行したことが確認された.また実験開始後,硝酸還元,および鉄還元の過程が進行していることが認められた.
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© 2006 社団法人 土木学会
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