開水路の底壁面上に,桟粗度を水深の2倍の横方向間隔で流れ方向に設置し,流れ場に形成された並列らせん流の内部構造の特徴を可視化法を用いて検討した.本流れ場には,桟粗度上に大規模な縦渦構造,粗度間に小規模な縦渦構造が形成される.大規模縦渦構造は,流れ方向に水深の3~4倍程度,横方向に水深の1~1.5倍程度のスケールを有する.縦渦構造の形成領域は相対的に低速であり,そこでは,相対的に高い2つのせん断(∂
U /∂
y,∂
U /∂
z)が共存している.これらの構造は,瞬時主流速の遅速や大きな瞬時二次流れ,瞬時の高レイノルズ応力等を生成し,その形成領域が時間的に安定しているため,本流れ場の長時間平均された主流速の遅速分布,大規模旋回流,特徴的なレイノルズ応力の分布が形成される.
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