抄録
潜堤周辺の地形変化特性を検討するために,新潟西海岸の大規模潜堤(天端幅40m,沿岸方向距離約1500m)周辺において潜堤建設開始の1989年から2004年までの16年間に取得された地形データを解析した.潜堤背後では最大4mにも及ぶ洗掘が発生し,潜堤の延伸とともに洗掘域が沿岸方向に拡大したけれども,突堤が潜堤に先行して建設された領域では汀線近傍の地形の安定には洗掘孔は大きな影響を及ぼしておらず,潜堤建設によって潜堤建設以前の侵食が抑えられ地形が安定した.さらに,潜堤沖側でも,潜堤建設以前は侵食傾向にあったものの,潜堤建設後は堆積傾向となった.潜堤背後の突堤の設置は,洗掘量そのものは軽減しないけれども,洗掘域を潜堤背後にとどめ,その影響を岸に及ぼさない効果があった.