2009 年 65 巻 3 号 p. 190-202
柔軟植生が路床に存在する開水路流れの研究は,実河川の土砂輸送や拡散特性また運動量輸送や河川生態系を考える上で重要である.本研究はPIVとPTVを併用して植生の揺動と流速ベクトルを同時計測し,群体的に揺動する「藻波現象」と乱流構造の関係特性を調べた.その結果,藻波発生時の乱流構造は乱流混合層との類似性が強くなることが明らかになった.また植生運動を対象に位相平均操作を行うことで,せん断不安定に起因するSweepやEjectionなどの組織乱流構造が藻波運動と重要な関係があることがわかった.