土木学会論文集B
Online ISSN : 1880-6031
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和文論文
海水飛沫の発生過程に着目した飛来塩化物イオン量の算定モデル
小窪 幸恵岡村 甫
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2009 年 65 巻 4 号 p. 259-268

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抄録

 本論文では陸上の任意地点に到達する飛来塩化物イオン量の算定モデルを提案する.提案モデルは波浪,気象情報ならびに海岸状態を入力情報とし,塩化物イオンを含有する海水飛沫の発生輸送付着過程をモデル化した.特に飛沫発生地点の状況が発生飛沫の粒径分布等の飛沫発生状況に影響するとし,飛沫の発生地点を海上と海岸に分け,海上においては白波等の広域砕波による飛沫,海岸においては波形変形による砕波時のしぶきによる飛沫が飛来塩の源となるとしてモデル化した.また,モデルの適用範囲を広げるため海岸状態のモデル化と計算過程の簡易化を図った.モデルの実用性を確認するため既往観測に対して適用を行い,その有効性を確認した.

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© 2009 社団法人 土木学会
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