土木学会論文集B
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和文論文
複断面蛇行河川における洪水流による樹木群の倒伏・破壊機構と樹木管理への活用
後藤 岳久福岡 捷二児子 真也中須賀 淳
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2010 年 66 巻 1 号 p. 47-65

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抄録
 複断面蛇行河川では大洪水時の水位ピーク時に主流が内岸寄りを走り,内岸砂州が洗掘を受けるため内岸砂州上の樹木群の倒伏・流失が想定される.太田川では,河道内樹木の管理を目的とした樹木調査を行い,洪水時の水面形の時間変化を観測する準備を行ってきた.平成17年9月には,計画高水流量相当の洪水が発生し,内岸砂州上の樹木群が倒伏・流失した.本研究では,観測水面形の時間変化を用いた非定常二次元洪水流・河床変動解析により,洪水中の流れと河床変動,樹木倒伏の関係について検討した.そして,流体力と河床洗掘の観点から,砂州河床上の樹木倒伏・破壊の主な要因は河床洗掘であることを明らかにした.最後に,本調査・研究から明らかにされた樹木管理の教訓とその活用を示している.
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© 2010 社団法人 土木学会
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