土木学会論文集B
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和文論文
透水性の高い平地上における堆積地形の形成過程に関する数値解析
小笠原 基関根 正人
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2010 年 66 巻 2 号 p. 167-178

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抄録

 土砂を輸送してきた流れが透水性の高い平地上に流入すると,そこには扇状地にも似た堆積地形が形成される.本研究では,このような堆積地形の形成過程を数値的に再現することのできる解析モデルを構築することを目的とする.ここでは,地形の縦横断勾配の影響を合理的に考慮した掃流砂量の評価方法と,斜面崩落モデルとを組み込んだほか,表面流に加えて飽和・不飽和浸透流についても同時に解析することにした.この解析モデルの妥当性については,模型実験の結果とこれと同一条件下で行われた数値解析の結果とを比較することにより検討された.これにより,堆積地形の拡大が「流路の移動・消滅・再形成」のプロセスと密接に関わりながら進行することが確認されたほか,本解析によりこの過程が概ね合理的に再現できることも示された.

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© 2010 社団法人 土木学会
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