土木学会論文集B
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和文論文
水災害危険度に基づく建築規制の費用便益評価と土地利用規制との比較
市川 温寺本 雅子沼間 雄介西澤 諒亮立川 康人椎葉 充晴
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2010 年 66 巻 2 号 p. 145-156

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抄録

 本研究では,大阪地域と東京地域を対象として,水災害危険度に基づいて建築規制を実施した場合に生じる費用と便益を比較することで,建築規制の利害得失や適用性について検討した.その結果,いずれの地域においても,今回検討した範囲では建築規制の総便益は正となり,建築規制は水防災対策として一定程度の適用性を有していること,大阪地域のほうが東京地域より建築規制の総便益が大きくなり,比較的少ない負担で効果的に水災害被害額を減少させうることが明らかとなった.さらに,同じ地区を規制対象とする建築規制と土地利用規制を比較したところ,建築規制のほうが土地利用規制より総便益が若干大きいか同程度となることがわかった.このことから,建築規制は床下浸水を許容する土地利用規制とほぼ同程度の適用性を有していると考えられる.

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© 2010 社団法人 土木学会
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