土木学会論文集C
Online ISSN : 1880-604X
ISSN-L : 1880-604X
和文論文
注入孔内での目詰まりに着目したセメントグラウチングに関する研究
内田 善久蓮本 清二野田 兼司神藤 健一
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2006 年 62 巻 1 号 p. 201-214

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抄録
 岩盤割れ目を対象としたグラウチング技術の高度化を目的に,注入孔から割れ目への注入状況を模型実験で可視化することにより,次の結果を得た.(1)岩盤割れ目へのグラウチングでは,注入孔と割れ目交差部の目詰まりの影響によって,注入圧カー定でも時間の経過とともに注入流量は減少する.(2)この原因は,セメントグラウト中に含まれる割れ目よりも大きなサイズの微量な粗粒分や団粒化した凝集物の影響が大きい.(3)注入流量は,割れ目幅と注入圧力とグラウト配合に関係するとともに,複数割れ目の相互の影響にも関係する.(4)目詰まり防止には,網目を通過させる方策等が有効である.以上から,グラウチングを効率化するための注入仕様等の方向性を提案した.
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© 2006 社団法人 土木学会
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