2006 年 62 巻 2 号 p. 519-528
地盤表面では大気中の湿度変化によって土間隙内に高いサクションが作用している.高サクションを有する土の見かけの粘着力についてはこれまでに明らかにされていないのが現状である.本研究では静的に締め固めた非塑性の不飽和シルトに対して,蒸気圧法を用いて湿度制御された環境下で供試体に2830kPa以上の高サクションを与え,見かけの粘着力とサクションの関係を検討した.また,この供試体に関して,一軸圧縮試験,圧密定圧一面せん断試験を行い,せん断試験方法の違いが見かけの粘着力に与える影響についても検証した.