2006 年 62 巻 2 号 p. 502-518
板状の固化改良体を液状化対象層内に多層配置することにより,部分的に地盤の軟化や液状化を許容して減震効果を利用するとともに沈下および不同沈下を低減することを期待した地盤改良形式である多層固化改良を提案した.本研究では,種々の改良率に対して多層固化改良を含む改良形式について振動台実験を実施し,減震効果と沈下低減効果の観点から本改良形式による改良効果について検討した.その結果,多層固化改良は改良率を高くすると減震効果が低下する傾向を示すものの,同じ改良率の一体改良の場合以上に沈下を低減する効果があることが明らかとなった.