本論文は,土構造物への降雨などの浸水に伴う間隙空気挙動の検討のため,不飽和土の透気特性を究明したものである.不飽和土の試料層にサクションを与えて飽和度を制御しながら透気係数を測定できる手法・装置を開発・提案して,土の保水性と透気係数の関係を考察した.その結果,提案装置・手法によって,不飽和な砂やシルトについて,10-3~100cm/sの範囲の透気係数を測定できることが判明した.そして,飽和度と透気係数の関係ならびにサクションと透気係数の関係にはいずれも間隙水の排水と吸水過程の履歴によってヒステリシスが生じ,同じ大きさの飽和度あるいはサクションのときの透気係数は吸水過程の方が大きくなることなどを認めた.