抄録
本研究では,模型トンネルに内蔵した小型起振機を用いて加振することにより,遠心場で地下鉄の列車走行時振動を模擬できる実験方法を構築した.そして,遠心模型実験を実施して地中部および地表部の振動加速度を測定することにより,振動の周波数特性や地中部における振動加速度の分布など,地盤中の振動伝播性状を把握した.また,Bornitzの計算式を用いて内部減衰定数αを計算し,遠心加速度が15G~62.5Gではαの値がほぼ同じであり,70Hz以下の周波数域においては東京およびその近郊の14地点で実施した現場測定の結果と概ね対応していることを確認した.さらに,模型地盤内に模型杭を設置し,トンネルに近接する建物の杭を伝わる振動について,伝播性状を把握した.