抄録
2004年10月23日に発生した新潟県中越地震は,多くの死傷者を出したほか,住宅,道路・鉄道構造物に多大な被害を生じさせた.JR東日本が所有する信濃川発電所もフィルダム形式の調整池をはじめ,多くの施設に被害を受けた.三つの調整池のうちの浅河原調整池では,天端部に全長にわたり亀裂が発生し,中央部では段差が生じるなどの被害が発生した.被害調査および原因究明のため,トレンチ掘削調査,ボーリング調査等を実施した結果,心壁部は健全であり,天端部表層の損傷のみであり,強い地震動を受けたが,貯水機能を失うような深刻な被害は免れ,補修可能な損傷にとどまっていた.また,調査結果をもとに,このような被害の発生原因について考察をした.