土木学会論文集C
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和文論文
炭酸カルシウム含有量による地盤形成過程の評価
藤森 雄一福江 正治加藤 義久増渕 和夫笹島 卓也
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2007 年 63 巻 4 号 p. 1163-1174

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抄録
 地盤形成時の環境を理解することを目的として,地層に含まれる炭酸カルシウムの変化から堆積環境の評価を試みた.まず始めに炭酸カルシウム含有量の深さ分布と古生物学分析による古環境変遷を比較したところ,炭酸カルシウム含有量は海水準の上昇に伴い増加し,海水準の停滞および下降によって減少することがわかった.また,海成層の炭酸カルシウム含有量は,汽水および淡水成層と比べ高い値を示す結果を得た.そこで炭酸カルシウム含有量の増減から堆積環境および地盤層序について検討した.その結果,炭酸カルシウム含有量の増減は層相の変化を正確に捉えており,堆積環境および地盤層序の推定が可能であることがわかった.
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© 2007 社団法人 土木学会
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