抄録
地盤の破壊や変形を検討する場合,通常,対象地盤に対して地盤調査や土質試験を実施して,層序や初期状態,地盤定数などの地盤に対する情報を設定する.浚渫粘土埋立地を対象にした圧密促進のための地盤改良設計においても同様で,埋立完了後に実施される地盤調査の結果が用いられる.しかし,浚渫粘土埋立完了後直ちに地盤改良工事を行う場合には,地盤調査,試験の時間的余裕が乏しいこと,埋立直後の地盤は未圧密で試料採取が困難なこと,などから,浚渫土埋立中に完成時の埋立地の状態を予測し,地盤改良設計を行っておく必要がある.本研究では,このような状況下で埋立地の地盤状態と圧密定数を設定する手法を,浚渫粘土埋立解析をベースとして提案し,その妥当性を新北九州空港建設事業で検証した.