抄録
掘削土砂に体積比で15∼40%の気泡及び適量の水を加えた懸濁液である気泡安定液は,地中連続壁工法の安定液としての諸機能を有している.掘削土砂の粒度やコンシステンシー特性等は気泡安定液の物性に影響を与えるが,気泡と水の添加量を調整することにより,各種の土質特性に対し溝壁の保持性,流動性等々を管理限界内に保つことができることを実験的手法により証明した.それに基づいて,安定した施工を行うための気泡安定液の管理手法を考案した.この管理手法を2箇所のソイルセメント地中連続璧工事に適用し,TRD掘削機による工事実績をもとにその妥当性を検証した結果,気泡安定液によるTRD掘削が適切に管理できることが実証された.また,排泥土量はベントナイト系安定液の約1/2∼1/3になることを確認した.