抄録
新潟県中越地震によってJR東日本が所有する信濃川発電所のフィルダム形式の三つの調整池にも被害が生じた.三つの調整池のうち,新山本調整池は,堤体の沈下,のり面の亀裂,噴砂等の被害が生じたが,調査の結果,コアには損傷が認められず,貯水機能を失うような深刻な被害は免れ,補修可能な表層のみの損傷であった.ただし,沈下に関しては,最大で堤体高さの2%もの沈下を記録し,堤体高さの60%付近の沈下が大きかったことが分かった.この沈下は,各種調査から,特定のすべりによる沈下ではなく,堤体全体が沈下したものと判断される.