抄録
地下施設の建設時には,大規模な不連続面の存在によって突発湧水や岩盤の変形が引き起こされるため,大規模な不連続面の有無を事前調査に基づいて客観的かつ精度良く推定する必要がある.そこで本検討では不連続面のサイズの分布がべき乗分布に従うとの仮定に基づき,原位置の露頭や坑道壁面で観察される不連続面のトレース長と直接には観察できない不連続面のサイズの関係式を理論的に導出し,原位置調査データに基づく不連続面のサイズの分布を推定する手法を提案した.さらに国内の岩盤で計測されたトレース長分布について,本検討で提案したパラメータ推定手法を適用して検討を行い,べき乗分布のパラメータであるべき数及び不連続面の最小値のばらつきを取りまとめた.