抄録
岩盤中の亀裂や断層といった不連続面の分布特性,形状及び透水性などの物理的特性は,一般的に亀裂性岩盤の力学的特性及び水理学的特性を支配している.本検討では亀裂を有する岩盤をモデル化する手法であるDFNモデルを対象に,原位置で取得可能な各亀裂特性とそれらの相互関係に着目し,DFNモデルを作成するための各亀裂特性の相互関係を確率統計理論に基づいて整理した.さらに,この相互関係の妥当性を検証するために,当該相互関係を用いて作成したDFNモデル中に仮想のボーリング孔を掘削して亀裂頻度を観測し,後述する亀裂頻度の理論式から予測される亀裂頻度の理論統計値との比較検証を実施した.