2009 年 65 巻 4 号 p. 1018-1023
長大トンネルの建設費縮減のためには,急速施工とともに支保の軽減を図ることが効果的であり,トンネルボーリングマシン(TBM)を活用した機械掘削が考えられる.しかし,我が国の地質は脆弱であり,TBMを用いた施工実績は一部を除いて比較的小断面のトンネルに限られている.TBMの適用範囲を広げるためには,TBMによって施工されるトンネルの支保工の設計手法の確立が不可欠である.本研究は,これまでに先進導坑や避難坑の施工でTBMを採用したトンネルにおける現地計測結果を基に,支保に作用する荷重を解析的に算定するとともに,実際の崩落事例による崩落高さの整理を通じて荷重としての評価を行うことにより,TBMを用いて施工されるトンネルの支保工の設計に資する作用荷重に関する考察を行ったものである.