2013 年 69 巻 4 号 p. I_727-I_733
本研究では地震動による木造家屋被害の推定に表層地盤情報を活用することを目的として,表層30mの平均S波速度(AVS30)と木造家屋応答の関係を調べた.検討は京都府舞鶴市を対象とし,市内のボーリング地点におけるS波速度構造の評価や等価線形化法による地盤応答解析を実施した.各対象地点において地盤応答解析で得られた地表波の加速度応答スペクトと木造家屋の最大応答変形角Rの関係を評価したところ,降伏せん断力係数Cyが大きくなるほど,短周期の加速度応答スペクトルがRに影響を及ぼすことが分かった.最後にAVS30とRの関係を調べたところ,Cy=0.1,0.3の木造家屋のRはAVS30と相関があることが明らかになった.