抄録
足尾地域はかつて緑豊かな土地であったが,銅山開発や山火事により周囲の山林が失われてしまった.その後約50年間緑化事業が行われ植生が回復しつつある.これまでの緑化事業の評価を行い,今後の方針を提案することは重要である.今までに足尾の植生モニタリングを行った研究は存在するが,15年以上前の研究であり,また使用しているデータも高価なものである.そこで本研究では,なるべく無償で入手可能なデータとソフトウェアを用いて,持続的に足尾地域の植生回復を評価する手法を検討した.具体的には,入手と取り扱いが容易なMODISデータによる植生指標(NDVI)に着目して,空中写真,土地利用データと比較して空間分解能,データ更新頻度などを検討し,適用性が十分であるとわかった.