抄録
筆者らは,モデル空間を基盤とした設計協議システムTuCを提案した.モデル空間の課題は,設計対象物の周辺環境をどの程度正確に作成するかという点である.また,3次元データの利用は住民説明用CG程度の実績しかなく,コストや時間をかけて3次元化することは労力に見合わないというのが現状である.一方,2次元図面データは紙媒体に出力することで,協議・検討がおこなわれている.紙図面は,熟練者になるほど設計案を把握することが可能であるが,都市内の現場のように複数の受発注者が混在する場合,協議者全員で共通の認識を持つことは難しい.本論文では,2次元図面データをVR上に取り込み,多少のオブジェクト等を加える手法を提案し,実証例を示してその有用性を検証する.