2015 年 71 巻 2 号 p. I_9-I_17
本論文では,UHF帯RFIDを用いた災害電子掲示板と,その情報伝達手法について提案を行う.RFIDタグは内部電源を必要としないため,電源インフラを喪失した状況における情報通信手段に適している.本研究では,RFIDタグのアレー化によるメモリの並列化によりメモリ容量拡大を図った.このとき,各タグに個別に情報を書き込むために,書込みアプリケーションに対して,個々のRFIDタグを識別するためのコードを検出するマスク機能を組み込んだ.また同時にRFIDタグのアレー化と反射板の利用により,通信距離が拡大できることを示す.さらに,掲示板装置として,ノートパソコンやマイコン内蔵液晶ディスプレイを用いたデモ機を作成し,提案する電子掲示板の実現可能性を実証する.